日本生活指導学会第40回東京大会のごあんない

  • 日時および会場

大会実行委員長 :森 伸 子 (東京矯正管区)
大 会 事 務 局 長:杉田 真衣(東京都立大学)

日       程:9月10日(土)〜11日(日)
       現理事会は9月9日に実施、新理事会は9月11日に実施
会    場:東京都立大学(南大沢キャンパス)
        〒192-0397 東京都八王子市南大沢1-1 

9日 (金)     16:00-19:00   理事会 
10日 (土)8:50-   受付9:30-12:30   課題研究A・B昼食13:30-14:20   総会14:30-18:00   全体会18:15 -19:15   交流会
11日 (日)8:30-   受付9:00-12:00   自由研究発表昼食・ 新理事会13:00-16:00   課題研究C・D 
     

  *全日程オンライン併用(交流会除く)

9月10日(土)第1日目 1号館1階
  9:30~12:30 課題研究A(103教室) 課題研究B(104教室)
  13:30~14:20 総 会 (110教室)
  14:30~18:00  全体会 (110教室)
  18:15~19:15 交流会 (110教室)

9月11日(日)第2日目 1号館1階
  9:00~12:00 自由研究発表(102教室、103教室、104教室、105教室)
  12:00~13:00 新理事会(109教室)
  13:00~16:00 課題研究C(103教室) 課題研究D(104教室)

9月9日(金)理事会
  16:00~19:00 1号館1階 109教室
                            ※会場はいずれも予定

2.参加費

大会参加費(対面、オンライン共通):一般・臨時会員 3,000円  学生会員 2,000円

3.参加申し込み

参加の申し込みと参加費の入金は、事前申し込みを原則とし、イベント管理ツール「Peatix」にて行います。申込詳細は、このページの一番下をご参照ください。

4.全体会

困難な事情を抱える若者の自立支援を考える
     ~少年院における矯正教育と社会復帰支援の実践から~

虐待や貧困、社会的孤立など厳しい成育環境や発達障害等の特性への配慮不足、学校への不適応など、困難な事情を抱える若者の自立を取りまく状況はますます深刻になっており、学校や若者自立支援の現場においても当事者及び支援者は厳しい問題に直面している。

少年院在院者に対する支援においても、一人ひとりが抱える非行行動の背景にある事情が複雑なことから、在院者一人一人のニーズを踏まえた計画的な矯正教育を行うとともに、入院後早い段階から、更生保護関係機関をはじめ、教育、福祉・医療、就労支援等の各種機関や地域の若者支援団体、自立準備ホーム等の民間団体と連携して円滑な社会復帰に向けた支援を展開している。

全体会では、このような少年院における矯正教育と社会復帰支援の事例報告を踏まえ、困難を抱える若者の自立支援の在り方を検討したい。

報 告 者  :織田 脩二(湖南学院 司法福祉)
       :今泉 崇(湖南学院 司法福祉)
コメンテーター:楠 凡之(北九州市立大学 臨床教育学)
       :羽間 京子(千葉大学 司法福祉)
       :杉田 真衣(東京都立大学 教育学)
司    会 :森 伸子(東京矯正管区 矯正教育)

5.課題研究

課題研究A改訂『生徒指導提要』の生活指導論視点からの読解

 2010年に文部科学省によって公表された『生徒指導提要』は、学校教育における生徒指導の基本書と位置付けられており、教師の実践に大きな影響を与えていることが予想される。それは、いじめ・不登校、学校相談、非行への対応など、児童・生徒に関する広範な問題について、その捉え方や対応の仕方等の方針を示してきた。しかし、これらの方針が示されて以降、いじめ・不登校などの諸問題は、改善するどころかむしろ悪化しているようにも見える。そもそも『生徒指導提要』の内容は子どもたちの成長発達を支援する点で適切なものだったのか。その『生徒指導提要』も改訂されて12年ぶりに改訂版が出される。今回の改訂は、どのような問題意識から、何がどのように改善されたのか。

『生徒指導提要』が射程に収めている諸問題─いじめ、不登校、非行問題、校則や懲戒等─は、生活指導学会も長年研究を蓄積した課題である。しかし、本学会では『生徒指導提要』そのものについて分析・検討してこなかった。本学会での研究の蓄積を踏まえながら、『生徒指導提要』の思想(学校観、教育観、指導観、発達観、子ども観、社会観等)や子どもへの対応方法ついて、教育学、心理学、司法福祉の立場からそれぞれ分析を試みたい。

報 告 者  :藤井 啓之(日本福祉大学 教育学)
       :野田 正人(立命館大学 司法福祉) 
       :酒井 裕樹(瀬戸少年院 矯正教育) 
司   会  :白井 利明(大阪教育大学 心理学)
       :熊澤 千恵(椙山女学園大学 看護学)

課題研究B:〈子どもの福祉〉強化に向けた学校と地域(社会)との連携・協働
            ―学校の「内」と「外」の境界線をどう超えていくか―

〈子どもの福祉〉の中核にあるのは、①生存権=「守られる権利」(貧困、あらゆる暴力や抑圧からの自由を保障される権利)と、➁発達権=「育つ権利」(他者や社会とつながりながら成長し、社会生活に参加していく権利)の実現である。近年の生活困窮世帯の拡がり、被虐待等の暴力に苦しむ子どもの増加、学校以外に学びの機会をもたない不登校の子どもや失職する若者の増加といった状況は、社会全体で〈子どもの福祉〉を格段に強化することを求めている。とりわけ困難な状況を生きている子ども・若者のいのちと暮らしを守り、かれらの人間的な成長を促す拠り所となりうる社会的ネットワークを整備あるいは創出することは喫緊の課題である。

〈子どもの福祉〉への社会的とりくみを強化する要になるのは、公教育機関としての学校であろう。学校を起点に地域(社会)、家庭、専門諸機関のあいだの相互連携・協働を推進していくことが重要だからである。しかし、現状をみるかぎり、連携・協働に向けた学校の課題はあまりにも多い。例えば、地域で不登校の子どもの支援に携わっている人たちとの連携や、子どもたちの放課後の生活を共にする学童保育の指導員たちとの交流は、概して薄い。児童福祉分野との連携・協働についても、児童相談所への通報を以て学校の「役割」を済ませたとする風潮が依然として強く、なかには児童相談所の「家庭復帰」の措置要請を頑なに拒むようなケースも認められる。そうした結果、家庭にも、学校にも、地域にも居場所をもてない状況がつくられている。

学校教育の「内」と「外」にある境界線を超えて〈子どもの福祉〉の強化に結実する学校、地域(社会)、家庭、専門諸機関の連携・協働をどのように実現していくか。本課題研究では、こうした問題意識にもとづき、
(1)学校がはたすべき福祉的機能とはなにか、
(2)学校と地域(社会)、家庭、専門機関との連携・協働をめぐる課題の構造をどうつかむか、
(3)連携・協働の枠組みや仕組み(連携・協働の促進を可能にする環境・条件の整備)をどう構想するか、といった観点から議論を深めていきたい。

報 告 者 :ブローハン 聡(一般社団法人 コンパスナビ)
          「当事者の立場からみた『学校』と『連携・協働』をめぐる課題」
      :福田 敦志(大阪教育大学 教育学)
          「『子どもが育つ』『子どもが変わる』ことへの責任を引き受ける 
          場としての学校を創りだす論点」
司   会 :浦田 雅夫(京都女子大学 児童福祉)
      :照本 祥敬(中京大学 教育学)

課題研究C: 「評価」の観点から生活指導実践の価値を問う

生活指導実践はどのように「評価」しうるのか。外在的かつ表層的な成果に基づく皮相な「評価」が席巻するなかで、評価そのものに対する忌避感が広がっている。しかし、実践を先へと進めつつ、その過程で実践者が育っていくあり方を考えるうえでは、相応の実践評価は不可欠であり、生活指導実践に即した評価のあり方が求められてくる。

そうした評価を考える際に問われてくるのが、「誰が、どういう価値に即して、どのように評価するのか」という点である。昨今のケア概念が鋭く問いかけているように、生活指導を含む対人的な活動全般は、主体から対象への働きかけという一方向的なものではなく、ニーズの発出・感受とそれへの応答・再応答など、相互主体的な往還を前提とするものである。それを踏まえると、「実践における評価」ということもまた、複眼的な視点で行なっていくことが求められてくる。 そして実践に対する評価というのは、自ずと実践における価値をどのように見定め、探求していくのかという実践的価値論にも直結してくる。

そうした「生活指導実践における評価」というテーマに対し、本課題研究では、多面的な角度から生活指導実践研究を進められてきた山田会員より、問題提起をしていただく。そのうえで、市民活動に対する評価のオルタナティブを志向する「ふりかえり評価」という手法を開発・実践してきた小池達也さんより、外在的な指標の当てはめ・押し付けを越えていく評価方法について提起していただく。そうした評価手法は、明示的な「成果」などには現れづらい生活指導実践ともかなり親和性があるものと思われるが、市民活動全般に対する評価との異同から、生活指導実践の特質を浮かび上がらせてみたい。

報 告 者 :山田 綾 (四天王寺大学 教育学)
      :小池 達也(よだか総研 政策デザイナー)
司   会 :折出 健二(元愛知教育大学 教育学)
      :南出 吉祥(岐阜大学 教育学)

課題研究D:不登校問題の捉え直しと支援
          ―コロナ時代・子どもの生活と願いを問いながら― 

 文部省(1992)は、 「登校拒否 (不登校) 問題について」のなかで、家庭や個人の課題に視点を置いてきた捉え方を転換し、「どの子どもにも起こりうる」と初めて言及し、「社会的な要因」「学校の要因」についても指摘した。それから30年が経過し、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の配置が進行してきたが、不登校は増加し続けている。子どもの生活、願いと学校・教師の対応、教育政策はかみ合っているのだろうか。コロナ時代のもとで、不登校は大幅に増加し、特に近年、いじめ、不登校、暴力のいずれも小学校(低学年)での増加がみられる点は、どう捉えればよいのか。

また、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」(2016)が制定され、既存の学校以外の場での教育機会の確保と財政支援が国や地方自治体の責務とされ、文科省(2017)は、既存の学校への復帰を前提としない旨、通知を出している。この政策は、不登校の子どもたちにとって、どのような意味、影響があるのか。こうした現在の状況も踏まえて、不登校問題を捉え直していく必要があるのではないか。

さらに、問題の捉え直しと同時に、多職種連携によってどのような不登校支援の取り組みが求められ、行われているのか。報告を受けて下記の点について検討を深めたい。

  • 小中学校、高等学校における不登校の状況をどう捉え、多職種連携のもとでどう支援していくのか。
  • そのなかで、コロナ時代の子どもの生活の変化や願いをどう捉えていくのか。

報 告 者  :山村 和恵(立命館守山中学校・高等学校養護教諭 保健指導)
         中学校・高等学校の現場から
       :幸重 忠孝(SSW,NPO法人こどもソーシャルワークセンター理事長 社会福祉)
         スクールソーシャルワークの現場から
コメンテーター:村澤 和多里(札幌学院大学 心理学)
司   会  :春日井 敏之(立命館大学 臨床教育学)

:舩越 勝(和歌山大学 教育学)

6.自由研究発表

9月11日(日)  Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ 9:00~10:25  Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ,Ⅷ  10:35~12:00

Ⅰ 若者のキャリア意識に関する現象学的考察の試み

発 表 者   加藤 誠之(高知大学 生徒指導論)
司   会   村澤 和多里(札幌学院大学 心理学)
コメンテーター 南出 吉祥(岐阜大学 教育学)

Ⅱ 森尚水教育実践の検討―小学校教育実践をとおしてー

発 表 者   藤田 毅(太平洋学園高等学校、教育学)
司   会   福田 敦志(大阪教育大学 教育学)
コメンテーター 植田 一夫(大阪青山大学 教育学)

Ⅲ 私が私を知り、人生を豊かに歩む第一歩のために
    ―中学校における当事者研究の実践「生きづらさ研究学会」の考察―

発 表 者   福田 八重 (帝京科学大学 教育学)
司   会   楠 凡之(北九州市立大学 臨床教育学)
コメンテーター 白井 利明(大阪教育大学 心理学)

Ⅳ マイノリティへの生活指導と教師の専門性の回復
           ―渡部翔子実践記録を読み解く―

発 表 者   〇藤本 幹人(近畿大学非常勤講師 教育学)
        〇森 俊二(成城大学 教育学)
        〇見波 由美子(埼玉県立高校 教育学)
         渡辺 大輔(埼玉大学 教育学)
         望月 一枝(日本女子大客員研究員 教育学)
         内田 理(一橋大学非常勤講師 教育学)
司   会    片岡 洋子(元千葉大学 教育学)
コメンテーター  照本  祥敬 (中京大学 教育学)

Ⅴ なぜ生徒指導/生活指導は“ブラック”になるのか?
      ―「指導(direction/guidance)」と「懲戒(discipline)」について―

発 表 者   川原 茂雄(札幌学院大学 教育学)
司   会   藤井 啓之(日本福祉大学 教育学)
コメンテーター 折出 健二(元愛知教育大学 教育学)

Ⅵ 「戦争体験の継承」と「つかみ取る平和学習」

発 表 者  〇濵田郁夫(元高知県公立中学校 平和学習活動論)
        加藤誠之(高知大学 生徒指導論)
司   会   春日井 敏之 (立命館大学 臨床教育学)
コメンテーター 船越 勝(和歌山大学 教育学) 

Ⅶ 地域に根差した保育者の探索的・対話的・主体的な学びの共同体構築の取組

発 表 者  〇秋山 麻実(山梨大学 幼児教育学)
       〇高橋 英児(山梨大学 教育方法学)
司   会   浦田 雅夫(京都女子大学 児童福祉)
コメンテーター 山本 理絵(愛知県立大学 教育学)

Ⅷ マイノリティへの生活指導は教師の専門性の回復に資するのか
        ―ケアの倫理と主体の捉え直し―

発 表 者  〇渡辺 大輔(埼玉大学 教育学)
       〇望月 一枝(日本女子大客員研究員 教育学)
       〇内田 理(一橋大学非常勤講師 教育学)
        藤本 幹人(近畿大学非常勤講師 教育学)
        森 俊二(成城大学 教育学)
        見波 由美子(埼玉県立高校 教育学)
司   会   渡辺 雅之(大東文化大学 教育学)
コメンテーター 上森 さくら(金沢大学 教育学)

日本生活指導学会第40回大会参加申込方法について

~Peatix による参加申込・大会参加費決済方法のご案内~

本大会は、通常の対面での開催に加え、zoomによる参加を併用することとなり、限られた人員で大会運営に当たるため、大手イベント管理サービス Peatix(ピーティックス)の提供するシステムにより、オンラインにて事前に参加申込と大会参加費の徴収を行うことにいたしました。

初めて Peatixを利用される方をはじめ、申込時の入力や決済手続きについてご不便をおかけするかもしれませんが、ご理解とご協力をお願い申し上げます。以下に、Peatix の利用準備と参加申込の主な手順をまとめます。

1.Peatix の利用準備

 *スマホ用アプリがなくても、どの端末からでも利用可能です

① (初めて Peatix を利用される方のみ)Peatix の新規登録

初めて Peatix を利用される方は、google 等の検索サイトで「Peatix」「ピーティックス」を検索してアクセスし、ログインページ上部にある「新規登録」をクリックして、アカウントの作成・登録(または Facebookなど他のサービスのアカウントの接続登録)をしてください。

② Peatix にログインします

上記ログインページで、利用するアカウントのボタン等からログインしてください。これで準備完了です。

2.Peatix での参加申込・決済

※申し込み期間:2022年8月1日(月)~9月2日(金)

① 本研究大会専用の参加申込 URL にアクセスします

https://jasg40th.peatix.com

② 「チケットを申し込む」を押します

チケット一覧の下にボタンが表示されます。

③ チケット選択画面で、希望のチケットと支払い方法を選択します

「一般会員」「臨時会員」「学生会員」の3種類のチケットが用意されていますので、1枚だけ選択してください。

支払い方法は、左から順に「クレジットカード」「コンビニ/ATM(+手数料 220 円)」「PayPal/銀行」の 3つのボタンが表示されますので、ご希望の方法を選択してください。

選択後、「次に進む」を押してください。

④ お名前・ご所属・連絡先等、必要事項を記入します

フォームが出てきますので、記入をお願い申し上げます。ここで記入された個人情報は本研究大会実行委員会による大会運営業務にのみ使用いたします。

参加申込後の諸連絡はメールにより行いますので、特にメールアドレスの誤入力がないよう十分にご注意ください。

記入後、「請求先情報に進む」を押してください。

⑤ 支払いに必要な事項を入力します。

③で選択した支払い方法に応じた項目が表示されますので、必要事項を入力してください。なお、一部の支払い方法では、④の記入事項と同じ項目(例えば電話番号)の入力を求められることがありますが、⑤の入力内容は決済業者が使用するものですので、改めて入力をお願い申し上げます。

⑥ 確認画面へ進み、「お申し込みを確定する」を押します。

これで参加申込に必要なオンラインでの入力作業は完了です。ただし、決済方法として「コンビニ/ATM」を選択された方は、店頭での入金後に正式に参加申込完了となります。表示された支払い期限を過ぎてしまうと、入力内容は無効となり、最初から参加申込の入力をやり直す必要が生じます。また、申込期限(9/2)の直前(1 日前から)は決済確認の都合上「コンビニ/ATM」を選択できなくなりますのでご注意ください。

上記に示した手順と、実際に表示される内容(順序やボタンの位置、具体的な表現等)が異なる場合は、実際の表示内容を優先してください。

その他、参加申込に関しご不明な点がございましたら、大会実行委員会事務局(西)までメール(jasg40th@gmail.com)にてお尋ねください。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。 

 第40回大会実行委員一同



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