生活指導学会第41回大会(京都・立命館大学)申込につきまして

  1. 日時および会場

大会実行委員長:春日井 敏之(立命館大学)

日  程:9月2日(土)〜3日(日)

     理事会は9月1日(金)に開催

会 場:立命館大学 朱雀キャンパス

京都市中京区西ノ京朱雀町1

(京都駅よりJR嵯峨野線二条駅下車徒歩3分)

※ 対面を基本としつつ、ハイブリッド形式で開催します。

  • 本大会に関する問い合わせ

事務局長・山岡 雅博(立命館大学)  yamaokam@fc.ritsumei.ac.jp 

 共 催:立命館大学 大学院教職研究科

  • 参加費
  • 大会参加費(対面、オンライン共通):
     一般・臨時会員 3,000円
     学 生 会 員   2,000円
  • 交流・懇親会費:1,000円(軽食・飲み物付)
  • 参加申し込み

大会および交流・懇親会の参加の申し込みと参加費の入金は、事前申し込みを原則とし、イベント管理サービス「Peatix」にて行います。申込詳細は、《別紙》をご参照ください。

  • 申し込み期間

2023 721日(金)~826日(土)

  • オンライン参加者用のZOOMミーティングIDは申込者に別途連絡します。
  • 申し込みURL (Peatix)は《別紙》を参照してください。
  • 申し込み期限を過ぎた場合は、現地事務局までお問い合わせください。

全体会 

特別な教育・福祉・医療の場から社会的包摂(インクルージョン)へ

―地域生活指導実践の課題―

国連障害者権利委員会が2022年9月に、日本政府に第1回審査の総括所見を公表した。そこでは主として、障害者権利条約19条「自立した生活及び地域社会への包容」、および第24条「教育」に関して厳しい勧告がなされた。

日本は、精神科の病床数が先進国の中でも多く、精神障害者が地域で生活できるような社会にはなっていない。また特別支援学級、特別支援学校の在籍児童生徒は増え続けており、これがインクルーシヴ教育に反した分離教育だと批判された。こうした障害者権利委員会の勧告の精神をふまえるならば、罪を犯した人々を少年院や刑務所に隔離して矯正教育をおこなうことの是非を問うことにもつながっていく。

特別な教育・福祉・医療の場は差別なのか。もし仮にそうだとしても直ちになくしていくことは現実的ではない。しかし、その特別な場を設けている制度が、障害者や罪を犯した人々を社会から隔離・排除し、孤立させてしまっている現状について考えなければならない。そして、それらの特別な場から社会的包摂へとつなぐ生活指導実践はどのように行われ得るのか。インクルージョンとは何か。分離や隔離をしないで、あらゆる学校や社会で共に育ち生きていくためには、何が必要か。

3つの報告と、報告へのコメントから考えてみたい。

報告:水谷 聖子 (日本福祉大学 看護学)

    精神障害者の地域医療と訪問看護実践

  :井ノ口 善之(泉南学寮 矯正教育)

    地域社会と連携した矯正教育
     ~泉南学寮グリーンサポーターの取組~

  :小出 享一(株式会社居場所代表取締役 社会福祉学)

    障がいを持って生きるということ

コメンテーター :楠 凡之 (北九州市立大学 臨床教育学)

司  会:織田 脩二 (湖南学院 矯正教育)   

     片岡 洋子 (放送大学千葉学習センター 教育学)

課題研究A:ライフステージの生活指導(その1) 周産期における伴走型支援

妊娠から出産後の子どもの養育について切れ目のない支援を行っていくことは重要である。しかし、実際のところ、若年、経済的困窮、知的障害、精神疾患合併などを背景とする特定妊婦の場合、継続した適切な支援につながらずに社会的に孤立することも多い。母親の社会的な孤立は児童虐待、ひどい場合には虐待死につながる危険性もあり、周産期の伴走型の支援充実は急務である。

周産期をめぐる支援においては、親子の愛着形成に焦点を当てた支援とともに、特に孤立した若い母親が安心・安全を感じられる環境を構築していくことも重要である。安全な居場所を確保できなければ、安全な愛着関係を築く上で大きなハンディキャップを抱えることになってしまう。

本課題研究では、周産期の伴走型支援の実態と困難について、二つの視点から報告をしていただく。ひとつは地域で子育て支援の要となっている保健師の立場からで、地域において子育てに困難を抱えている親子の背景について報告していただく。もうひとつは助産師の立場から、特定妊婦の抱える困難と、そのような妊婦や母親を支える居場所づくりの実践について報告していただく。その上で、実践報告を通じて、妊産婦を支える居場所のあり方や、他機関や地域と連携を含めてこれから求められる支援体制について議論する。

報告 :岩崎由紀子(愛知県知多郡武豊町役場)

    西尾和子(小さないのちのドア)

コメンテーター:村澤 和多里(札幌学院大学 心理学)

    楠 凡之(北九州市立大学 臨床教育学)

司 会 :水谷 聖子(日本福祉大学 看護学)

課題研究B:生活指導・対人支援の実践を支えるネットワークの位相

―実践現場で求められる連携・協働と実践者コミュニティの形成―

生活指導・対人支援に関わる実践が展開される領域は、以下の2つに大別される。

(1) 生活指導・対人支援の(多職種協働を含む)現場

(2) 生活指導・対人支援実践者たちの交流やコミュニティ

(1)は、日常において生活指導・対人支援にとりくむ「当事者」としての実践領域で、教育、福祉、看護、心理臨床といった専門分野を問わず共通に成立している。(2)は、こうした実践を担っている当事者が集い、交流する領域である。生活指導や対人支援に直接・間接に参加している者どうしが日々の実践について語りあったり、学びあったりする実践者のためのコミュニティということができる。

こうした実践者コミュニティの存在は、実践現場のしんどさや苦労を分かちあったり、互いに励ましあったりするケア的側面を有するとともに、コミュニティを媒介にしてみずからの実践の意義や価値を社会に発信していく基盤ともなる。実践の成果や直面している課題を整理し、コミュニティの外に発信することで、社会的関心の喚起や法制度上の改善を促していくことが可能になる。また、こうした社会への発信をとおして、実践者コミュニティの枠を超えたより広い社会的ネットワークづくりが進むとともに、実践者がさまざまな出会いや学びを経ながら他者や社会との関係を築きなおしていくことも考えられる。

本課題研究では、以上のような生活指導や対人支援の実践展開のあり方をふまえ、(1)の実践現場で求められる連携・協働の中身と(2)の実践者コミュニティの機能・役割や意義の関連に注目する。そのうえで、現場の課題や成果が実践者にどのように共有され、どのように社会に発信されているか、またそうした実践者コミュニティのとりくみが実践者一人ひとりにどのようにフィードバックされているか、といった点について、①児童養護施設におけるケア、連携・協働についての報告と②社会的養護を終えた若者への支援の継続に関わる報告をもとに掘り下げて検討したい。

報 告 :石塚 かおる(児童養護施設つばさ園)

     吉田 栄紀(岐阜羽島ボランティア協会)

コメンテーター:南出 吉祥(岐阜大学 教育学)

司 会 :浦田 雅夫(京都女子大学 児童福祉)

     照本 祥敬(中京大学 教育学)

課題研究C: 小・中学校におけるいじめ・暴力の変化と求められる支援

本課題研究Cは、昨年度の課題研究D「不登校問題の捉え直しと支援-コロナ時代・子どもの生活と願いを問いながら-」を引き継ぐものであり、本年度は小・中学校におけるいじめ・暴力の問題を中心に据えて、検討を行うものである。

周知の通り、2022年10月27日付で発表された、文部科学省の「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」の結果によると、小・中・高等学校における暴力行為の発生件数は、76,441件(前年度66,201件)と増加を示し、そのなかでも小学校が48,138件と最も多数を占めているのが、平成30(2018)年度からの変わらない傾向である。

他方、小・中・高・特別支援学校におけるいじめの認知件数は、615,351件(前年度517,163件)で、過去最多を示している。そのなかでも、平成24年(2012年)以降の10年間の急増ぶりが注目される。また、校種別で見てみると、調査方法が変更された平成18(2006)年度以降は、一貫して小学校が最多を示している。

こうしたこの調査の数値上の変化、及び校種別の変化、さらにはそうした変化を生み出した社会・経済的な背景をどのように見たらいいのであろうか。データの急激な変化という「事実」に着目して言うと、10年間のスタートの2012年とは、周知の通り、第二次安倍政権の成立の年であり、こうしたこの10年間の子どもの変化の要因を探るということは、安倍・菅政権の新自由主義政策を中核とした政策評価を多面的に行うことにつながるのではないか。すなわち、心理的・発達的なフェイズと教育的なフェイズと政治的・社会的なフェイズの3層を交叉させ、それらの「連動」の様相を究明していくことが求められる。そのなかで、上記の政治的・社会的影響下における保護者、教員の威圧的・暴力的・操作的な言動が「連動」している実態についても解き明かしていきたい。また、こうした「連動」の結果として、「いじめ・暴力・不登校」の「連動」を明確にすることにもつながってくる。

そこで、この課題研究Cでは、中学校を中心としたいじめの発生と対応の心理学的研究、小学校におけるいじめ・暴力に取り組む実践の提案を受け、コメンテーターからは両提案をめぐる論点を整理してもらいながら、この10年間の子どものいじめ・暴力の変容の裏側にある、子どもそのものの変容の実相とその背景にある上記の「連動」、さらには求められる支援のあり方を解明することを試みる。

報 告:船越勝(和歌山大学 教育学) 企画の趣旨説明

    加藤弘通(北海道大学 心理学)

     いじめの心理学アプローチ-中学校を中心に

    岩本訓典(京都市立嵯峨野小学校)

     いじめ・暴力に取り組む実践

コメンテーター:春日井敏之(立命館大学 教育学)

司 会 :船越勝(和歌山大学 教育学)

    白井利明(元大阪教育大学 心理学)

課題研究D:性的マイノリティとナラティブ

病気や障害、虐待を含めた過酷な生育環境、外国ルーツ、性的マイノリティなど、社会的に不利な状況に置かれている子ども・若者たちは、自らのことを語りにくくさせられている傾向にある。そうした子ども・若者のナラティブが他者によって聴かれることは、本人の生存やアイデンティティ形成を少なからず支える。なかでも性的マイノリティは、幼少期に保護者や幼稚園・保育所によって着せられる服を着たくなかったり、同性に惹かれたりしても(こうした経験があるかどうかは人によるが)、それがどういうことなのかが自分で解釈できず、思春期に入ると自分は何者で、どう生きていったらよいのかという悩みを深めることが多い。そのため、自分に関わるナラティブを生成し、それが安全な場・関係で聴き取られることは、かれらの生存やアイデンティティのみならず、将来の展望をも支えることになろう。

しかし、生活指導の現場においては、相手のナラティブを聴くことが実践されているとともに、相手のためにそのナラティブを敢えて聴かないことが選ばれている場面も少なくない。

相手のナラティブを聴くことの意義は何か。語り手はナラティブを聴き届けられることによって、カタルシスを超えて、一体何を得るのか。また、聴き手が、相手のナラティブを敢えて聴かないことを選択する時とはどのような場合か。聴かないことの意義は何か。ナラティブアプローチなどの特定のものではなく、人と人の関わりの中でのごく基本的な営みの意義を、性的マイノリティの子ども・若者に関わる現場からの報告を通して改めて考え、議論したい。

問題提起:羽間京子(千葉大学 司法福祉・心理学)

      ナラティブを聴くこと/聴かないこと

報 告 者:則清仁美(丸亀少女の家 矯正教育)

      少年院における性的マイノリティへの処遇とナラティブ 

    :杉田真衣(東京都立大学 教育学)

      性的マイノリティの若者は自分についてどう語ってきたか

コメンテーター:渡辺大輔(埼玉大学 教育学)

司 会 :杉田真衣(東京都立大学 教育学)

     羽間京子(千葉大学 司法福祉・心理学)

  1. 自由研究発表
9月3日(日)  Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,Ⅳ 9:00~10:25  Ⅴ,Ⅵ,Ⅶ  10:35~12:00

Ⅰ 生徒指導・生活指導の起源
─明治期の学校における「訓育(訓練)」概念の形成過程から考える
発表者  川原 茂雄(札幌学院大学 教育学・生活指導論)
司 会  照本 祥敬(中京大学 教育学)

コメンテーター 舩越 勝(和歌山大学 教育学)

Ⅱ 少年院男子在院者における他者の意図への敵意帰属と攻撃性との関連

発表者  羽間 京子(千葉大学 心理学・司法福祉)  

司 会  白井 利明(元大阪教育大学 心理学)

コメンテーター 森 伸子(東京矯正管区 矯正教育)

Ⅲ 森尚水教育実践の検討─地域教育実践をとおして

発表者  藤田 毅(太平洋学園高等学校 教育学)

司 会  髙橋 英児(山梨大学 教育学)

コメンテーター 木戸口 正宏(北海道教育大学 教育学)

Ⅳ 教師が人生を幸せに生きるために

─東日本大震災までとそれからを歩んだ教師のライフストーリーに関する考察

発表者  福田 八重 (帝京科学大学 教育学) 

司 会  谷尻  治(和歌山大学 教育学)

コメンテーター 松田 洋介(大東文化大学 教育学)

Ⅴ 教科「道徳」批判の検討

  ─2016年8/9月号以降の「生活指導」誌を中心に─

発表者  植田 一夫(大阪青山大学 教育学)

司 会  藤井 啓之(日本福祉大学 教育学)

コメンテーター 小渕 朝男(二松学舎大学 教育学)

Ⅵ セクシュアル・マイノリティの内在化された同性愛嫌悪に関する研究

発表者 ○池上 智紀(市川市役所 教育心理学)

     羽間 京子(千葉大学 心理学・司法福祉)

司 会  渡辺 雅之(大東文化大学 教育学)

コメンテーター 杉田 真衣(東京都立大学 教育学)

Ⅶ 社会的養護の自立とアフター支援の課題について

発表者  河村 浩世(京都芸術大学 社会的養護・こども家庭福祉)

司 会  櫻谷 真理子(滋賀県教育委員会 児童福祉)

コメンテーター 浦田 雅夫(京都女子大学 臨床心理・児童福祉) 

 

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